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Chapter2.反撃の狼煙

人類が次に手に入れた物は『World Planck』と呼ばれる、世界の余剰エネルギーを実体化した赤色次元結晶体である。これを素材に塔の力であらゆる物体の生成・製造に成功した人類は、この力で失った工業生産力を二十年という驚異的な速さで回復させる。この赤い結晶は後に『UBELコード』と呼ばれる切札へと昇華する。
(上部写真は精製直後の『World Planck』塊。塔の勢力はこの結晶体を動力に活動していると思われる)

これらの規格外の技術は塔の奪取から二十年後、不慮の事故で転移してきた『猟兵』の力を借りてその殆どが実用化された。中でも対ウォーマシン用に開発された『アームドフォート』と呼ばれる人類史上最大の個人携行火器や、機械の巨人と見まごう万能の人型兵器『キャバリア』は、猟兵の力なくして実用化は難しかっただろう。
(上部写真は強化外骨格としての機能を優先していた、最初期のアームドフォート起動テストの一幕)
ハワイ決戦で辛くも勝利した人類が手に入れた『塔』――その正体は人知の及ばぬ異次元の産物だった。有り体に言えば超高性能3Dプリンターとも言える『万能物質生成機』に、時間を代償に結果を発露する『人工進化シンセサイザー』、そして『多元干渉移動体固定器』と呼ばれる次元跳躍機構――テレポート装置を内蔵していた。
(上部写真は塔外壁。地球製とは次元の違う防空兵装を備え、半径数千kmの大空を完璧に防御する)
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